お盆明けに仕事のパフォーマンスが落ちるのはなぜ?エンゲージメントを保つために組織ができる対策

お盆休みが明けた最初の週、オフィスやチャットの空気がなんとなくどんよりしている。 出社しても集中が続かない、返信が滞る、雑談が減る。そう感じたことのある方は、決して少なくないはずです。

長期休暇明けの意欲低下は、つい本人の「気の緩み」として片づけられがちです。ただ、ある調査を見ると、休み明けにパフォーマンスの低下を実感する人は半数以上にのぼり、しかも回復のための工夫の多くが「個人の自助努力」に寄っていることがうかがえます。

この記事では、休み明けにエンゲージメントが落ち込みやすい理由に踏み込み、個人任せにせず組織で改善するための策を、具体的な打ち手のレベルまで掘り下げていきます。

目次

お盆明けに仕事のパフォーマンスが落ちるのはなぜ?エンゲージメントを保つために組織ができる対策

1. お盆明けに、仕事のパフォーマンスが下がりやすい背景

まず知っておきたいのは、休み明けに意欲が落ちるのは「気の緩み」でも「本人の甘え」でもなく、決して珍しいことではないという点です。

株式会社ジェイックが2026年5月に発表した、同社の就職支援サービスを利用して就職・入社した20〜30代の正社員137名を対象とした調査によると、休暇明けの仕事のパフォーマンスについて、「通常より非常に低い(50%未満)」が13.0%、「通常よりやや低い(50〜80%程度)」が41.2%で、合わせて半数以上が休暇明けにパフォーマンスの低下を実感していました。

「通常より高い」と答えた人は0%です。つまり、休み明けに調子が出ないのは、本人の資質や特定の職場だけの問題として片づけられるものではなさそうです。

お盆の休み方は、会社によって一斉休業から各自の分散取得までさまざまで、休みを取らずに働く人もいます。

ただ、取り方の違いを超えて共通するのは、夏のまとまった休みからの再始動というタイミングで、多くの人に切り替えの負荷がかかること。
だからこそ、原因を「個人のメンタル」で片づけず、職場の仕組みとして向き合う余地があります。

休み明けの一時的なパフォーマンス低下そのものは、珍しいことではありません。大切なのは、それを本人の意欲だけの問題として扱わず、スムーズに仕事へ戻れるよう職場全体で支えることです。

参考: 20代・30代正社員の「長期休暇明けのパフォーマンスと切り替え術」に関する調査(株式会社ジェイック、2026年5月)

2. 休み明けに起きる不調の主な正体

改善策を考える前に、休み明けに具体的にどのような不調が出るのかを考えていきましょう。

先ほどのジェイックの調査で、休暇明けに感じる不調(複数回答)は次のような順でした。

  • 集中力が続かない:38.2%
  • 朝起きられない・出社がつらい:36.6%
  • やる気が出ず、業務開始が遅れる:27.5%
  • 業務手順やパスワードを思い出せない:18.3%
  • ミスや確認漏れが増える:17.6%

ここで押さえておきたいのは、これらの不調の多くが、必ずしも「意欲の問題」とは限らないという点です。

ジェイックの調査では、同社取締役が、長期休暇明けには心身のリズムの乱れが表れやすいとコメントしています。

集中できない、朝がつらい、手順を思い出せないといった状態は、やる気のなさというより、非日常から日常へ切り替える途中の一時的なパフォーマンス低下として表れている可能性があります。

だからこそ、「気合い」の問題として片づけるよりも、切り替えを支える環境づくりを考えるほうが建設的です。

参考: 20代・30代正社員の「長期休暇明けのパフォーマンスと切り替え術」に関する調査(株式会社ジェイック、2026年5月)

3. 休み明けの対処は、個人でできる工夫が中心

では、休み明けの不調に対して、人はどう立ち直ろうとしているのか。同じ調査から、その実態が見えてきます。

休暇明けのパフォーマンスを上げるために行っている工夫(複数回答)は、「生活リズムを事前に戻す」が52.7%、「負荷の軽い業務から始める」が42.0%、「ToDoリストを作る」が25.2%、「残業を控えて早めに帰る」が24.4%、「同僚と会話して気持ちを切り替える」が20.6%でした。

多くの人が、自分なりのやり方で主体的に立ち直ろうとしていることがわかります。

一方で、上位の工夫は「生活リズム」「軽い業務から」「ToDo」と、本人が一人で取り組めるものが中心でした。

ただし、この設問は「あなた自身が行っている工夫」を尋ねたもので、企業側がどのような支援をしているかは、この調査だけでは分かりません。

とはいえ、回復が個人の工夫に頼りやすい状況だとすれば、切り替えのエネルギーが足りない人ほど、一人では戻りきれない場合があることには留意が必要です。

見逃せないのは、工夫の一つに「同僚と会話して気持ちを切り替える」が20.6%入っていることです。

人とのつながりを、立ち直りの手段として挙げている人が一定数いることは、組織側の支援を考える際の一つのヒントになります。

参考: 20代・30代正社員の「長期休暇明けのパフォーマンスと切り替え術」に関する調査(株式会社ジェイック、2026年5月)

4. エンゲージメントを職場全体で保つための打ち手

ここでポイントなのは、個人の自助努力に、職場からの関わりを足すこと。特別なことをする必要はありません。

休み明けの切り替えを、少しだけ外から後押しする関わりで十分です。

厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」では、上司からの支援やフィードバック、職場の人間関係など、仕事を取り巻く環境とワーク・エンゲージメントとの関係が示されています。

ワーク・エンゲージメントとは、仕事に対して「活力」「熱意」「没頭」を感じている、前向きで充実した心理状態を指します。同じ分析では、ワーク・エンゲージメントが高い企業ほど、定着率が高く、離職率が低い傾向も示されています。

こうしたワーク・エンゲージメントを支えるうえでは、本人の意欲だけでなく、職場でのコミュニケーションやフィードバックなど、日々の働く環境にも目を向けることが重要です。

休み明けも同様に、業務への切り替えを本人だけに任せるのではなく、職場側から支えることができます。

声かけや業務量の調整、同僚との会話など、日常の中でできることから始めてみましょう。

1. 復帰直後に、感謝一言の声かけを

復帰したメンバーには、進捗を確認する前に、まず「おかえり」とねぎらいの言葉をかけてみてください。あわせて、その人が休んでいる間に仕事をカバーしてくれたメンバーがいれば、「フォローありがとう、助かったよ」と感謝を伝えます。

復帰した人が戻りやすい雰囲気をつくるとともに、休暇中に仕事を支えたメンバーの貢献にも目を向けるきっかけになります。

2. 初日は、負荷の軽い業務から始められるように整える

ジェイックの調査でも、42.0%の人が「負荷の軽い業務から始める」を自分の工夫に挙げていました。これを本人任せにせず、職場の側で初日のタスクを軽めに設計しておくのも一案です。

重い意思決定や大きな締め切りは2日目以降に回すなど、初日は無理のない立ち上がりにできるよう調整してみましょう。

3. 同僚と会話するきっかけをつくる

同じ調査では、「同僚と会話して気持ちを切り替える」と回答した人も20.6%いました。

復帰直後に短い雑談や1対1の時間をつくる、感謝を交わすきっかけを用意するなど、会話とつながりが自然に生まれる場を意識してみてください。

ここでのポイントは、こうした関わりを「気の利く人」の属人技で終わらせず、職場の習慣として回すこと。

口頭でやり取りする手軽さはありますが、休み明けのタイミングは忙しさもあり、やりとりがその場で流れてしまいがちです。形に残すことで、支え合いを振り返る材料になり、感謝を組織の習慣として育てる一助になります。

4. 感謝を「残る形」にする

感謝を形に残す方法は、一つではありません。朝礼やチャットで意識的に「ありがとう」を共有する、社内SNSでやり取りを見える化する、といった手段があります。

こうした選択肢の一つに、感謝を可視化するデジタルサンクスカードもあります。

「GRATICA(グラティカ)」は、感謝をカードにして送り合えるサービスで、誰が誰に感謝を伝えたのかを後から確認できるため、日常の中で見えにくい貢献にも目を向けやすくなります。

大切なのはツールそのものよりも、自社に合ったやり方で、感謝が残り、めぐる仕組みをつくること。それが、休み明けに限らず、職場の支え合いを続く力に変えていきます。

参考: 令和元年版 労働経済の分析 ―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について―(厚生労働省)

5. まとめ

お盆明けのエンゲージメント低下は、本人の甘えでも一過性の気分でもありません。

今回の調査でも半数以上が休暇明けのパフォーマンス低下を実感しており、その背景には、長期休暇から日常へ戻る際の心身のリズムの変化があると考えられます。

回復のための工夫としては、生活リズムを整える、負荷の軽い業務から始めるといった、本人自身で取り組める方法が多く挙げられていました。

ただし、企業側の支援まで含めて尋ねた調査ではないため、職場の関わりの有無を、この調査だけで結論づけることはできません。

だからこそ、個人の工夫に加えて、職場側も、復帰直後の声かけや業務量への配慮、コミュニケーションのきっかけづくりを行うことで、スムーズな再始動を支えることができます。

感謝を残る形にして職場の習慣にする工夫も、その一つです。

気をつけていても落ち込みや停滞を感じやすい時期にこそ、職場からの小さな関わりが、やる気の立て直しと、その先の働きがい(エンゲージメント)を支える力になります。

社員が安心して働ける環境を整えたい企業にとって、感謝を言葉にする習慣は、有効な選択肢のひとつといえるでしょう。

サイトイメージ

デジタルサンクスカード GRATICA

ユーザー満足度調査90%以上! /
GRATICAは従業員間で「感謝の気持ち」を伝え合える デジタルサンクスカードサービスです。

参考文献

20代・30代正社員の「長期休暇明けのパフォーマンスと切り替え術」に関する調査(株式会社ジェイック、2026年5月)
令和元年版 労働経済の分析 ―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について―(厚生労働省)

株式会社オーケーウェブ GRATICA編集部

3分でわかる!GRATICA

資料ダウンロード

デジタルサンクスカードサービス