導入事例
日本トイザらス株式会社様
従業員モチベーション向上施策「GRATICA」導入事例
サンクスカードの導入により従業員エンゲージメントの向上に貢献
日本トイザらス株式会社は、1991年に日本1号店をオープンし、現在全国で約160店舗を展開する国内最大級の玩具・ベビー用品のリーディングカンパニーです。今年(2021年)の春からGRATICAを導入し、取材日時点で約5ヶ月。社内ではどのような変化が起こっているのでしょうか? 導入の背景や狙いについてを人材本部の道下様に、実際に利用している現場の声を和歌山店店長の門谷様にお話をお聞きしました。
人材本部 人材運営部 マネージャー 道下 悟 様
西日本店舗運営部 なんばパークス店 店長 門谷 悠子 様
従業員エンゲージメント向上のためにGRATICAを導入
一番の目的は従業員のエンゲージメント向上です。エンゲージメントの高い組織にするための要素はいくつかありますが、「従業員がお互いを称え尊重し、助け合う文化にしていく」ということに真剣に取り組む必要があると考えました。
従業員が世代や部門の垣根を越えて、困っているメンバーがいたら手を差し伸べ、チームで課題解決に取り組み、感謝の気持ちを伝え合うことができるチームワークの意識を推進できれば従業員エンゲージメントが高まり、より強い組織が生まれます。
弊社では緊急事態宣言が解除されて以降も本社スタッフはオフィス勤務と在宅勤務をミックスしており、部署にもよりますが、顔を合わせる機会は限られています。また、全国各地に店舗があり、店舗と本社のスタッフが顔を合わせる機会も限られます。GRATICAを導入することで、離れた場所にいても気軽に感謝の気持ちを伝え、お互いを尊重し、助け合いの文化を醸成することにつながるのではないかと考えました。
GRATICAに決めた理由
デジタルのサンクスカード候補として、3社ほど名前が上がっていました。結果的にOKWAVE様のGRATICAに決めることになったポイントはユーザビリティの高さです。
これはユーザー側と管理者側の双方にとってという意味です。当時はトライアル期間があり、まず本社の人材本部と店舗を限定した形で利用を開始しました。簡単なガイドのみを作成をして約1ヶ月間利用した結果、大きなトラブルなどは発生せず、また操作方法についての問い合わせもほとんどありませんでした。
操作方法が複雑になると導入しても離脱率が増えてくることが想定されるため、このポイントは特に重視していたんです。
一方で、管理者側の視点も同様に重視していました。弊社では数年前からカード(紙)を使って「ありがとう」を伝える取り組みを行っていました。所定の枚数のカードを受け取った方は、人材本部にそのカードを送ると、トイザらス特製グッズが進呈されました。ただ、店舗勤務の方はカードを本社に送る手間がかかります。カードを受け取る人材本部側では名前、部門(店舗名)、累計枚数といった情報をエクセルに入力するという管理方法を取っていたため、双方の負担軽減を実現するためにデジタルでのカード利用と管理が実現できるシステムを探していたんです。
トライアル期間中に利用者が送ったカード、受け取ったカードをリアルタイムで集計でき、レポート出力も簡単であることがわかりました。
GRATICAのシステムではこのポイントについて課題を感じることがなかったため、システム導入することを上長に提言をしました。
オリジナルカードの狙いは刷新されたブランド理念の浸透
GRATICAの既定のカードに加えてトイザらスオリジナルカードを作成して活用しています。ちょうどこの春に「トイザらス」のブランド理念と行動指針が刷新されたため、それらを社内に浸透させることも狙いでした。このカードが飛び交うことで、チームメンバーそれぞれがブランドの理念と行動指針を理解し(視覚的にも)、社内浸透に少しでも繋げていきたいという考えがあります。毎月GRATICA側でユニークなデザインを追加していただけるので、ちょっとした感謝の気持ちを伝える時はGRATICAデザインのカード、行動指針に沿った素晴らしい行動の時はオリジナルカード、など使い分けるメンバーが多いように感じますね。
導入して約5ヶ月。現状の満足度は70点!
この春からGRATICAを導入し、11月現在で約5ヶ月が経ちました。率直な感想としては、想像していたよりも遥かに高い結果が得られていると思います。
以前は専用のカード(紙)で「ありがとう」を伝えるという手段をとっていましたが、なかなか浸透せず全社の月間でのやりとりは月平均で50枚程度でした。
そのような実績から、デジタル化に移行をしてもすぐに利用数は大きな変化は見られないと考えていましたが、導入初月だけでも2500件近くの利用数(カード枚数)という結果でした。
また、近々eNPS調査(親しい友人知人に自分の職場をどれくらい勧めたいかという職場の推奨度)を行う予定ですが、そちらでも良いデータが出れば、今後さらに活用方法を広げていきたいと思っています。
満足度を100点にするための課題と対策
もちろん、全て上手く進んでいる訳ではなく課題もあります。
社内全体に認知が行き届いていない点や利用者のニーズに十分応えきれていない点もあるため、現場の声を拾い、改善ポイントを絞り、できる限り対応していきたいというのが私の想いです。
また、利用する人としない人、する部門としない部門で分かれてしまっている点についても課題を感じています。このシステムはあくまでも「ありがとう」を伝えるツールなので、部門内、店舗内で普段から感謝の気持ちを言葉で伝えることができるカルチャーが出来上がっているのであれば、無理に使っていただくものではないと思いますが、eNPS調査から必ずしもそうとは言えない部門や店舗には、上司と部下間、同僚間のコミュニケーション向上のツールとして積極的に活用をしていただくよう働きかけを行っていきたいと思います。
社内浸透率を高めていくための取り組みはいくつかありますが、例えば、カードをたくさん受け取った方を「チャンピオン」として表彰しています。
これは本社、店舗(アルバイトを含む)それぞれで数名の方が対象となりますが、たくさんの人から感謝の気持ちを受け取った人、つまり多くの人に対して何らかの貢献をしたという人を会社全体で表彰し、その輪を広げていきたいという趣旨でスタートをしました。
加えて、総カード数のキリ番(3万枚目など)を踏んだ人には、サプライズ賞を贈るなど、今後も積極的に施策を検討していきたいと思っています。
取り扱っている商品が玩具やベビー用品なので、本社も店舗もスタッフみんなが楽しく仕事ができる職場を目指したいんですよね。今回のGRATICA導入が、そんな会社の雰囲気に少しでもつながればと願っています。
GRATICAがもたらした3つの効果
私が店長を務めているトイザらス和歌山店は、スタッフが40名弱います。社員からアルバイトまで、この店舗で働くすべてのスタッフがGRATICAを使える状態です。同じ店舗内だけでなく、違う店舗や本社のスタッフともカードが送りあえます。
このGRATICAのサンクスカードを導入して以来、和歌山店の雰囲気、そして私自身も大きく変わったと感じていることがあります。一言でいうと、「感謝の気持ちを伝え合うツールだと思っていたけれど、それ以上の大きな効果があった」ということです。
(1)社内の結びつきが強くなった
日本トイザらスは、全国各地に約160店舗あります。本社に勤務している人もいますし、その中で実際に顔を合わせる機会があるのは、ほんの一握り。正直、一体どんな人が働いているのか、見えにくい部分がありましたが、GRATICAが導入されてからは変わりましたね。
じつはGRATICAは、カードを送るだけでなく、他の人が送ったカードを閲覧できるんです。本社の人同士が送りあったカード、店舗の社員がアルバイトスタッフに送ったカード、すべて見ることができます。そうすると、直接会ったことがなくても、カードの文面から人柄が伝わってきたり、どんな仕事をしているかがわかったりするんですね。店舗を異動した後輩が、新しい場所で頑張っている様子が見て取れたりもします。
働いている場所は遠く離れていても、仲間を身近に感じられるようになりました。社内の結びつきが強くなった気がします。
(2)店舗のチームワークがより強固になった
同じ店舗のスタッフでも、勤務時間や曜日が違うと一緒に働く機会はほぼありません。なかなか顔を合わさないスタッフ同士も、GRATICAでやりとりをしているケースが多いんですよね。
以前の紙のカードのときは、送った人ともらった人でやりとりが完結していましたが、デジタルになったことで誰でもカードを閲覧できるから、スタッフの意外な一面を知ったり、知らないところでこんな素晴らしい行いをしてくれている!という感動が日々たくさんあります。面と向かっては少し恥ずかしくて言えないような熱い言葉も、カードでなら伝えやすいですし。
私は出勤したら、まず一度GRATICAに目を通すのが日課です。みんなが頑張っている様子を知ることで、自分も頑張ろうと思える。モチベーションが上がって、さらによい行いにつながる…ポジティブな連鎖が起こっていると感じます。和歌山店のチームワークがさらに強まりました。
(3)マネジメントスキルの向上にも
これは私自身のことなのですが、褒めることがスタッフを育てる大切な要素だとわかっていながら、つい、指示や指導を優先してしまっていました。それが、GRATICAでカードを送るようになり、これまで以上にスタッフを観察するようになった結果、一人ひとりの仕事のプロセスや行動、向き合い方にまで目を向けられるようになりました。
これまで、成果に対してしか褒めていなかったことにも気付かされましたね。そういう意味では、自分自身のマネジメントスキルが上がったのではないかなと感じています。
GRATICAが浸透しない時期も。そのとき店長として試みたこと
良いことばかりのようですが、最初の頃はなかなか浸透せず、利用者も数えるほどしかいませんでした。私も含めて、カードを見られることに抵抗感を抱くスタッフも多かったんです。はたして、どうやって店舗内で広めていこうか考えた結果、まずは1回、カードを送ってみようと提案しました。ただ、それ以降は、無理強いはしたくなかったんですよね。
そこで、カードを使うきっかけを作るように努めました。ひとつは、私自身が積極的にカードを送ること。特に、オリジナルカードを使って、ブランド理念を浸透させることも意識しました。
そして、送ることを迷っているスタッフがいたら、「もらったら絶対にうれしいから、送ってみなよ!」と背中を押してあげる。送るのが苦手そうなスタッフに対しては、どういう文面にしようか一緒に考える。カードのやり取りを見つけたら、率先してコメントを入れて盛り上げる。特に、受け取ったスタッフだけでなく、送ったスタッフにも称賛のコメントを入れる。
そんなことを積み重ねていたら、だんだんとカードを送るスタッフが増えてきて、アルバイトの子が、スタッフからもらったカードをお父様に見せたら、「いい会社やな」と褒めてもらえた、なんてエピソードもありました。
まだまだ全員が使っているわけではないですが、以前よりもスタッフ同士の会話や感謝の気持ちを伝え合うことが増えてきたので、十分エンゲージメントはクリアしたかなと思っています。
今後も、GRATICAをうまく活用し、店舗の雰囲気をより良くして、スタッフの士気を高めていきたいです。