第1章:プロの「美味しい」を支えて約80年。TAKASOが受け継いできたお客様への姿勢
TAKASOの主なお客様は、飲食店などの事業者です。TAKASOは、接客や売り場づくりを重視する店舗販売と、プロのお客様を支援するBtoBの視点を組み合わせた事業を長年展開してきました。
ーーTAKASOの事業の特徴を教えてください。
髙橋さん:
当社は、かっぱ橋道具街で、飲食店のお客様に向けて調理道具や食器、調理機器などを販売している会社です。店舗とECの両方で販売しています。
一般的な卸売業のように、営業担当者がお客様のもとを回って注文を伺うのではなく、お客様に店舗へ来ていただき、その場で接客しながら商品をご提案することが大きな特徴です。
店舗での販売という点ではBtoCの側面もあり、個人のお客様も大切な存在です。一方で、私たちが事業の軸としているのは、飲食店をはじめとする業務用のお客様への支援です。接客、品ぞろえ、店づくりのすべてにおいて、飲食を仕事にする方々の立場に立ち、その日々の仕事を支えることを重視しています。
ーー髙橋さんがTAKASOの事業を受け継ぐことを決意された背景には、どのような思いがあったのでしょうか。
髙橋さん:
TAKASOに入社したのは、29歳のときです。それまでは大手電機メーカーに勤めており、仕事も順調に覚え、成長できる環境も整っていました。
一方で、当時、両親が社長と常務として会社を経営しており、詳しい事情までは分からないながらも、二人が苦労している様子は身近で感じていました。
私は三兄弟の末っ子ですが、両親からは以前から「誰も会社を継がなくてもいい。やりたい人がいれば継げばいい」と言われていました。そのため、家業を継ぐよう求められたわけではありません。
ただ、30歳を前に今後の働き方を考えたとき、大きな会社に居続けるよりも、祖父の代から両親が守ってきた会社に加わるほうが、自分はより役に立てるのではないかと思いました。両親を助けたいという気持ちもありましたが、最終的には自分自身で選び、TAKASOに入社しました。
ーー外から見ていた会社と、実際に入社してから見えた会社に、違いはありましたか。
髙橋さん:
前職では大手電機メーカーの人事部門に勤務しており、パソコンやデジタルツールを使って仕事をすることが当たり前でした。
一方、当時のTAKASOでは、まだ手書きの業務が多く、Excelやメールも十分に活用されていませんでした。最初は「もっと効率的にできる」と考え、さまざまな業務のデジタル化を進めました。ただ、その中で学んだのは、正しいと思う仕組みを一方的に導入しても、うまくいかないということです。
私にはデジタルの知識があり、先輩社員は私が持っていない商品知識や接客経験を持っています。その両方を活かし、新しいことを進める際には、使う人の気持ちや、なぜ変える必要があるのかを丁寧に伝えなければいけません。変化を起こすときほど、人の心理を理解することが第一歩だと学びました。
ーーTAKASOが長年にわたり受け継いできた、お客様との向き合い方について教えてください。
髙橋さん:
私が入社した頃、50年以上勤務していたベテラン社員がいました。
その方は、退職してから数年が経っても、お客様から「あの人はいますか」と尋ねられるほど信頼されていました。商品について何を聞いても答えられるだけでなく、始業時間より早く出社して、店の前のガードレールを拭いているような方でした。お客様との関係を築き、目の前の方に役立つという点で、本当に多くのことを学びました。
商品知識や生産性、売上も大切です。しかし、それとは別に、お客様とどうコミュニケーションを取り、どう役立つかという本質があります。その姿勢は、今のTAKASOにも受け継がれていると思います。
ーーかっぱ橋道具街を取り巻く環境の変化と、そのなかでTAKASOが選ばれ続けるために大切にしていることを教えてください。
髙橋さん:
最も大きな変化は、海外からかっぱ橋を訪れるお客様が大幅に増えたことです。街の雰囲気はもちろん、店舗での接客や商品のご案内でも、言葉や文化の違いもあり、以前にはなかった対応が求められるようになりました。
同時に、海外の方々が日本の調理道具や食文化に強い関心を持っていることを、店舗で直接実感することができました。それまで遠くに感じていた海外市場が、インバウンドのお客様を通じて身近なものになり、海外展開を考えるきっかけの一つになりました。
また、国内外を問わず、お客様は自由に購入先を選べます。かっぱ橋には多くの専門店がありますし、現在はAmazonや楽天などでも商品を購入できます。
その中で選ばれ続けるために最も大切なのは、お客様が何を求めているのかを知り、それに合った手段を提案できるかどうかだと思っています。
まずはお客様の声を聞く。そのうえで、当社が持っている商品、知識、サービスを組み合わせて提案する。この積み重ねが、選ばれ続けるために必要なのだと考えています。
当社では、取材時点で年間約2,400件のお客様の声が現場から寄せられています。短い一言から詳しいご意見まで内容はさまざまですが、それらを社内で共有し、POPの見直しや商品の導入、新しいサービスの検討につなげています。
【POINT】
TAKASOの土台にあるのは、豊富な商品知識だけではありません。お客様の小さな困りごとに向き合い、必要なことを丁寧に調べ、長い関係を築いていく姿勢です。
次章では、こうしたお客様への姿勢が、現在のミッションや事業にどのようにつながっているのかを見ていきます。


第2章:食に関するモノ・コトを世界へ。「美味しいを創る人」を支えるTAKASOの新たな指針
創業以来、飲食店をはじめとする食のプロを支えてきたTAKASO。80期という節目を迎えるにあたり、新たに強く打ち出されたのは、国内にとどまらず、食に関するモノ・コトを「世界」へ届けていく姿勢です。その方向性は、長年親しまれてきた呼び名を正式な社名とした「TAKASO」への変更にも表れています。
ミッション:
美味しいを創る人のために、食に関するモノ・コトを世界へ届け、お客様と共に繁栄し、御取引先とともに発展し、社員と共に成長する。
ビジョン:
食の世界に関わる「つくり手」が、よりよい仕事を続けられる環境を支える存在であり続ける。そして、国内外のプロ・ファンから愛され、選ばれ続ける「TAKASO」へ。
本章では、これらのミッション・ビジョンが生まれた背景と、社名変更に込めた意図、そして「美味しいを創る人」という言葉が示す、TAKASOの目指す姿について伺いました。
ーー現在のミッションとビジョンは、どのように生まれたのでしょうか。
髙橋さん:
現在のミッションとビジョンは、当社が80期を迎えるタイミングで、以前からあった経営理念や事業目的をあらためて整理したものです。
新しく加わったのが、「世界」を意識した表現です。ミッションには「食に関するモノ・コトを世界へ届ける」、ビジョンには「国内外のプロ・ファンから愛され、選ばれ続けるTAKASOへ」という言葉を入れました。今後は国内だけでなく、海外の方々にも価値を届けていきたいという意思を表しています。
私たちはメーカーから商品を仕入れ、それを飲食店やお客様に届けています。飲食業界の外側から支えている方々も含め、食に関わる多くの人と共に成長したい。その思いを広く表現した言葉が、「美味しいを創る人」そして「食の世界に関わるつくり手」です。
ーー社名を「高橋総本店」から「TAKASO」へ変更した理由を教えてください。
髙橋さん:
以前から、多くのお客様には「高橋総本店」ではなく、「高総さん」と呼んでいただいていました。また「高橋総本店」という名前は少し長く、特に海外の方には覚えてもらいにくいという課題がありました。
今後、海外への展開をさらに進めていくうえでも、「TAKASO」のほうが発音しやすく、覚えていただきやすい。そこで、80期という節目に、長年お客様から親しまれてきた呼び名に社名を変更し、ブランド名と会社名を一致させました。
ーー「モノだけでなく、コトも届ける」とは、具体的にどのような支援を指すのでしょうか。
髙橋さん:
きっかけは、お客様からいただいた言葉でした。
あるお客様に、かき氷機だけでなく、機械の使い方、盛り付け、容器、シロップなどをご案内したところ、「かき氷のトータルコーディネートをしてくれるんですね」と言っていただきました。
その言葉がとても印象に残り、「私たちはトータルコーディネートをする会社を目指そう」と考えるようになりました。
お客様が必要としているのは、かき氷機そのものではなく、かき氷ビジネスを成立させるための支援です。そのため現在は、機械やシロップの販売だけでなく、氷の保管方法、機械の購入・レンタル・買い取り、保健所への対応、価格設定なども含めたセミナーを行っています。
お客様がよりよい仕事を続けられる環境をつくることが、私たちの考えるトータルコーディネートです。
かき氷ビジネスを例にすると、かき氷は夏のイメージが強いですが、チェーン店では商品化までに時間がかかるため、秋や冬から準備を始めるケースがあります。
翌年の春に店舗をオープンするため、秋から情報収集を始める方もいますし、海外で事業を行う方であれば、季節に関係なく相談があります。
提供するメニューによっても提案は変わります。文化祭やお祭りで提供するかき氷と、1杯1,000円や1,500円で販売するスイーツのようなかき氷では、使用する機械や食材、シロップが異なります。
高価格帯のかき氷では、一般的なさらさらとしたシロップではなく、果実感や粘度のあるソースが選ばれます。人気が高いのはイチゴ、抹茶、マンゴーですが、それだけでは他店との差別化が難しいため、桃やレモン、ブドウなどを期間限定メニューに取り入れることもあります。
完成したシロップを販売するだけでなく、食材から手作りする方法を紹介するセミナーも行っています。手作りにすることで、味を高めながら原価を抑えられる場合もあります。
決まった商品を一律に勧めるのではなく、お客様がどのようなお店をつくり、誰に、いくらで、どのような商品を届けたいのかを確認したうえで、必要なモノとコトを組み合わせています。
【POINT】
TAKASOの事業は、商品を仕入れて販売することだけでは完結しません。お客様の声を起点に、商品の選定、売り場、サービス、セミナーなどを展開しています。
お客様が求めるものを丁寧に捉え、商品、知識、サービスを組み合わせて届ける。その積み重ねの姿勢は、同社のサービスだけでなく、社員一人ひとりの働き方や組織文化にも反映されています。

第3章:「まずはやってみる」挑戦と支え合いを育てる組織の仕組み
お客様の要望に細かく応え、新しいサービスや海外取引に挑戦するには、現場の社員が自ら考え、行動できる環境が欠かせません。
「お客様立場主義」「感謝」「仕事への誠実さ」といった価値観を、どのように組織内に浸透させているのでしょうか。
ーーTAKASOの職場には、どのような雰囲気がありますか。
髙橋さん:
社員が大切にしてくれているのは、和やチームワークだと思います。
それぞれに個性はありますが、困っている人がいれば、忙しい中でもできる範囲で助けようとする社員が多いですね。
社内アンケートで、入社して1年未満の社員に会社の魅力を聞いたところ、「人が良い」「優しい」という答えが返ってきました。新しく入った人にもそう感じてもらえていることは、会社の良さの一つだと思います。
また、社員には、失敗しても構わないと伝えています。失敗から学ぶことが大切だからです。
あるとき、フィリピンのセブ島で日本食店を開きたいというお客様が、かっぱ橋を訪れました。当社では、取り扱い商品の中から必要な調理道具を選んでいただければ、店舗で使用するものをまとめて海外へ送るとご案内しました。
私たちにとっては自然な対応でしたが、そのお客様がほかの店舗を回ったところ、必要な商品を一式そろえて海外へ送ると回答した会社は、ほとんどなかったそうです。
海外との取引には、英語での書類作成や規定の確認など、初めて経験する手続きもありました。それでも、「まずはやってみよう」と考え、一つずつ対応しました。
挑戦すれば、すべてが成功するわけではありません。しかし、失敗した人を責めるのではなく、そこから何を学び、次にどう生かすかを考えることが重要です。
会社がどこに向かっているのか、何を重視しているのかを日ごろから具体的に示し、それを実現するために、最初から「できない」と決めるのではなく、できる限りの方法を探してみる。そうした姿勢を重視しています。
ーー社員の行動や成果を称え、社内で共有するための取り組みについて教えてください。
髙橋さん:
年間表彰、四半期表彰、毎月のミニ表彰があります。
年間表彰では、1年間を通じて活躍した社員や、目標を達成した部門を経営計画発表会の中で表彰します。四半期表彰では、幹部から推薦された社員や、良い改善を行った社員を対象にしています。
また、全社員が毎月改善報告を提出するルールがあり、その中から特に良かった改善や、会社にとってありがたい改善を共有しています。
サンクスカードについても、最も多くカードを送った人と、最も多く受け取った人を年間表彰の対象にしており、期初に行う経営計画発表会で表彰しています。
【POINT】
TAKASOでは、困っている人を自然に助け合う風土と、失敗を恐れず「まずはやってみる」姿勢を大切にしています。会社の方向性を共有し、社員一人ひとりが自ら考えて行動できる環境を整えています。さらに、表彰制度や改善報告、サンクスカードによって、目標達成だけでなく、日々の工夫や周囲への貢献にも光を当てています。
挑戦を後押しし、その過程や小さな行動をきちんと認める仕組みが、TAKASOの組織文化を支えています。

第4章:A3用紙の「正」の字から、いつでも送れるサンクスカードへ
TAKASOでは、GRATICAを導入する以前から、紙のサンクスカードを運用していました。
一方、紙での運用には、集計や配布の負担、カードを送る枚数の伸び悩みという課題がありました。
ーー紙のサンクスカードは、どのようなきっかけで始めたのでしょうか。
髙橋さん:
紙のサンクスカードを始めたのは、7~8年ほど前です。
サンクスカードを活用している他社の事例を知り、良い取り組みだと感じたことがきっかけでした。お客様との関係を築き、仕事を円滑に進めるためには、日ごろの社員同士の関わりも重要です。今まで以上に小さなことにも感謝し、それをきちんと相手に伝える文化をつくりたいと考え、紙のカードを取り入れました。
ーーデジタルに移行した理由、GRATICAを選んだ理由を教えてください。
髙橋さん:
紙で運用していた頃は、毎月、総務担当者が2人1組になり、A3の用紙に「正」の字を書きながらカードを集計していました。誰が何枚書き、何枚受け取ったのかを確認し、その結果を掲示したり、カードを本人に渡していましたが、運用を続けるほど、集計や配布に手間がかかっていました。また、カードを送る枚数も次第に伸び悩んでいました。こうした課題を感じていた時期に、取引先からGRATICAを紹介されたことが、導入を検討するきっかけになりました。
國府田さん:
無料期間を利用してトライアルを行い、ほかの類似サービスとも比較しました。
他社で導入されている事例があったことに加え、操作が分かりやすく、スムーズに導入できたことが決め手です。コスト面でも、比較したサービスより導入しやすいと感じました。
ーー紙からデジタルへ変えることに、不安はありませんでしたか。
髙橋さん:
最初は、手書きの良さがなくなるのではないか、気持ちが伝わりにくくなるのではないかという不安がありました。
紙の場合は、文字を見ただけで誰が書いたのか分かることもあり、絵を描く人もいます。そうした温かさが失われるのではないかと思っていました。
しかし、実際に使ってみると、まったく問題ありませんでした。写真やカードのデザインを工夫しながら、社員がそれぞれの方法で楽しんで使っています。今では「もっと早くデジタルにすればよかった」と感じています。
ーー紙のカードと比べて、利用状況に変化はありましたか。
國府田さん:
カードを送る枚数は、紙の頃より明らかに増えています。
スマートフォンからいつでも送れるため、「後で書こう」と思ったまま忘れてしまうことが減りました。ちょっとしたことでも、その場で感謝を伝えやすくなっています。
髙橋さん:
紙のカードでは、ほかの社員が何を書いているのか分かりませんでした。
GRATICAでは、公開されているカードを見て、「この人はこんな仕事をしているんだ」「こういうことにも感謝を伝えていいんだ」と知ることができます。カードにほかの社員から「いいね」が付くこともあります。
構えて長い文章を書かなくても、ちょっとした手助けに「ありがとう」と送ればいい。そのことが、ほかのカードを見ることで自然に分かるようになったと思います。
國府田さん:
紙よりも長い文章を書けるため、詳しいエピソードを書いてくれる人もいます。簡単な一言から、背景まで丁寧に説明したメッセージまで、感謝の表現の幅が広がりました。
以前、社員がクレープをごちそうになった際、そのときの写真をカードのフレームに入れて送っていました。
紙では手書きの文字や絵に思い出が残りましたが、デジタルでは写真と一緒に出来事を残せます。感謝だけでなく、そのときの思い出まで保存できる点は、とても良いと感じています。
ーー利用を習慣化するために、どのような工夫をしていますか。
髙橋さん:
毎月、カードを送る枚数の目安を設けています。一定数を送った社員には、小さなご褒美も用意しています。
また、誰が何枚送り、何枚受け取ったのかを社内サイトに掲載しています。数字が見えることで、店長や上司も、利用が少ない社員に声を掛けられます。書いていないことを責めるのではなく、「もう少し使ってみよう」と柔らかく後押しするための材料です。
強制やペナルティではなく、感謝を伝えることを習慣化するための基準として運用しています。
國府田さん:
新人が入社したときには、カードの枚数だけでなく、なぜサンクスカードに取り組んでいるのかを説明しています。
こちらが感謝しているつもりでも、言葉にしなければ相手には伝わりません。
サンクスカードは、感謝に気づき、それを相手に伝えるための練習でもあります。「少なくともこの数は、ありがとうを伝えてみよう」と説明すると、若い社員も「確かに、意識しないと伝えていない」と気づいてくれます。感謝を数字で見えるようにできることにも、意味があると思っています。
ーー今後、GRATICAをどのように活用していきたいと考えていますか。
國府田さん:
部署内だけでなく、部署を越えたカードのやり取りをさらに増やしたいです。
自部署以外のカードを見ると、ほかの部署でどのような仕事が行われているのか、どのような協力が生まれているのかが分かります。
表彰制度とも、もっと組み合わせていけると思います。表彰された人に、周囲から「受賞おめでとう」とカードを送るなど、頑張りを一度の表彰で終わらせず、みんなで称える仕組みにしていきたいです。
【POINT】
TAKASOでは、紙のサンクスカードを通じて、「感謝を言葉にする」という取り組みを続けてきました。
一方で、総務担当者が手作業で集計し、掲示や配布を行う運用には負荷がかかっていました。また、ほかの社員がどのような感謝を伝えているのかが見えにくく、利用を広げるきっかけも限られていました。
TAKASOは、無料トライアルと類似サービスとの比較を経て、操作性と導入のしやすさ、コストを評価し、GRATICAを選びました。当初懸念していた「手書きの温かさ」も、写真やカードデザインを活用することで、別の形で表現できるようになっています。
また、カードが社内で共有されることで、これまで見えにくかった他部署の仕事や、社員同士の関係も見えるようになっています。
第5章:国内外の「美味しいを創る人」へ。TAKASOが描く次の展開
「食に関するモノ・コトを世界へ届ける」というミッションのもと、海外との取引拡大に取り組むTAKASO。その背景には、日本の食文化や調理道具をより多くの人へ届けたいという思いと、国内市場だけに依存しない事業基盤を築くという、二つの視点があります。
すでに海外にもTAKASOの商品を利用するお客様がいる一方、輸出には国ごとの規制や価格競争など、国内取引とは異なる難しさもあります。
本章では、今後の展開について伺いました。
ーーTAKASOが海外展開を強化している背景を教えてください。
髙橋さん:
海外を目指す理由には、大きく二つの側面があります。
一つは、私たちが実現したい夢やミッション・ビジョンにつながる、前向きな挑戦としての側面です。海外では、日本という国や、その商品・サービス、文化を高く評価してくださる方がたくさんいます。その中には、和食や和食器、調理道具、かき氷といった、日本の食文化に関わるものも含まれています。
これまでは主に国内のお客様へ届けてきた商品や知識を、今後は海外で必要としている方々にも届けていきたい。それは、日本の食文化や価値を世界へ伝えることにもつながると考えています。
もう一つは、将来に向けた事業基盤づくりという側面です。国内では人口減少が進んでいるため、国内需要だけに依存して長期的な成長を目指すことは、次第に難しくなっていくと考えています。
国内外の双方でお客様との接点を広げることは、ミッション・ビジョンを実現するための挑戦であると同時に、将来の変化に備えるためにも重要だと捉えています。
ーー海外での取り組みには、どのような手応えや難しさを感じていますか。
髙橋さん:
海外での可能性は、強く感じています。
私はアジアの国々を訪れることが多いのですが、現地でお会いした方から「TAKASOで商品を買っています」と言っていただくことがあります。店頭を中心に販売している当社の商品が、すでに香港やシンガポールなどで使われていると知ったときは驚きました。
海外からお問い合わせをいただき、当社を選んでくださる方もいます。そうした経験から、私たちにはまだ取り組めることが多くあると感じています。
一方で、海外取引には国内にはない難しさがあります。通関や輸出の規制は国によって異なり、内容が変わることもあります。事前に確認していても商品が届かない可能性があるため、リスクをお客様に丁寧に説明し、ご理解いただいたうえで進めなければなりません。
また、競合は日本国内だけではなく、世界中にいます。日本製品への評価が高くても、価格の安い商品と比較されることは少なくありません。
その中で選んでいただくためには、商品の違いや価値をきちんと説明する必要があります。モノを届けるだけでなく、知識や使い方、事業に合わせた提案も含めて支援することが、海外においても重要になると考えています。
ーーそのなかで、GRATICAに今後期待することはありますか。
髙橋さん:
お客様にもサンクスカードを送れるようになったら面白いと思っています。
もちろん、お客様はGRATICAのユーザーではないので、実現方法は難しいと思います。しかし、何かのお礼を伝える際にカードを送り、「当社では社員同士でもこのように感謝を伝えています」と紹介できれば、会社の文化も知っていただけます。
また、GRATICAを利用しているほかの企業と、会社を越えてカードを送り合える仕組みがあれば、取引先や知り合いの企業にも感謝を届けられます。感謝のやり取りを、社内だけでなく社外にも広げられたら良いですね。
【POINT】
TAKASOは、日本の食文化を世界へ届けるとともに、将来を見据えた事業基盤づくりとして海外展開を進めています。輸出規制や価格競争といった課題に向き合いながら、商品だけでなく知識や提案まで含めた価値で、国内外から選ばれる存在を目指しています。
第6章:さいごに
TAKASOは、約80年にわたって、食に関わるプロの仕事を支えてきました。
その歩みを振り返ると、豊富な商品や専門知識だけでなく、お客様の小さな困りごとに耳を傾け、できるかぎりの方法を考え続ける姿勢が、同社の事業を支えてきたことがうかがえます。
お客様の声から「かき氷のトータルコーディネート」が生まれ、社員の挑戦から海外取引が広がっていく。その背景には、失敗を責めず、改善を共有し、周囲の行動に感謝を伝える文化があります。
GRATICAは、その文化を新しくつくったものではありません。
紙のサンクスカードで長く続けてきた「小さなことにも感謝し、それを相手に伝える」という取り組みを、より日常的に、より広く続けるための仕組みです。
感謝を心の中だけにとどめず、言葉にして届ける。受け取った本人だけでなく、そのやり取りを見た周囲も、誰がどのように組織を支えているのかを知る。
一枚のカードから生まれる小さな気づきの積み重ねが、TAKASOの「一人ひとりが自ら考え、行動する」組織を、これからも支えていくのではないでしょうか。
ーーTAKASOのお客様や、これからTAKASOの製品・サービスの利用を検討している方へのメッセージをお願いします。
髙橋さん:
当社では、調理道具や和食器をはじめ、飲食に関わるさまざまな商品を取り扱っています。何かお困りのことがあれば、どれほど小さなことでも、気軽にご相談いただきたいと思っています。
例えば、「今使っている炊飯ジャーのネジが1本なくなった」というご相談にも、同じ部品を取り寄せられないか調べます。店頭に同じ商品がある場合には、そこから部品を用意できないか考えることもあります。
手間のかかるご相談であっても、最初から対応できないと決めるのではなく、できる方法がないかを探す。それが、私たちの大切にしている姿勢です。
些細な困りごとでも、私たちの商品や知識、経験がお役に立てることがあるかもしれません。できる限り力を尽くしますので、まずはお気軽にお声がけいただければと思います。
関連リンク>>
株式会社TAKASO
株式会社TAKASO お問合せ
『GRATICA』は、株式会社オーケーウェブが提供するクラウド型サンクスカードサービスです。
従業員同士がオンライン上で感謝の気持ちを伝え合うことで、社内コミュニケーションの活性化、従業員エンゲージメントの向上、ひいては組織力の強化を支援します。
カードにはポイント機能も付帯でき、福利厚生の一環としての活用も可能です。
感謝の循環を、組織の力に変えていく——『GRATICA』は、そんな新しい企業文化づくりをサポートします。
▶ 詳細はこちら